ファミマのコーヒーマシンに広告? 待ち時間を「稼げるメディア」に変える仕組み

コーヒーマシンの液晶画面に広告が表示されているイメージ

コンビニでコーヒーを注文し、抽出が終わるのを待つ。その何気ない時間が、企業にとって新たな広告のチャンスになろうとしています。

ファミリーマートは2026年10月から、新型コーヒーマシン「FAMIMA CAFÉ」の液晶画面を活用した広告の本格展開を開始しました。コーヒーやフラッペを抽出している間に広告を流す仕組みです。

広告を表示する場所は、テレビやスマートフォンだけではありません。商品を買うために人が集まる店舗そのものが、広告媒体として活用され始めています。

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ファミマのコーヒーマシンに広告が登場

ファミリーマートが展開する「FAMIMA CAFÉ液晶広告」は、コーヒーマシンの液晶ディスプレイを使って広告を放映するサービスです。店内のリテールメディアを運営するゲート・ワンと共同で展開します。

対象となるのは、コーヒーやフラッペの抽出中に生まれる待ち時間です。ファミリーマートによると、抽出を待つ時間は30秒から120秒を超える場合もあり、この時間を広告との接点に活用します。

2026年8月末時点の設置規模は約16,000店舗。沖縄県と「ファミマ!!」を除く店舗が対象です。広告出稿期間を14日間とした場合、想定延べ接触者数は約1,100万人とされています。

なぜコーヒーの待ち時間が広告になるのか

従来の広告では、テレビやウェブサイトなど、利用者が別の目的で見ている媒体に広告を表示する方法が広く使われてきました。一方、コーヒーマシンの液晶広告には、商品を購入した人が抽出を待つ間、画面の近くにとどまるという特徴があります。

ファミリーマートは、この時間を新たな広告接点として位置づけています。広告は15秒間放映され、その後に19秒間の「FAMIMA CAFÉ」のプロモーション映像が流れる構成です。

重要なのは、単に画面を設置したことではありません。商品を買う行動と広告を見る機会が、同じ場所と時間の中にある点です。広告を見た人が、その店舗で商品を購入する可能性があるため、広告主にとっては販売促進との結び付きも期待できます。

広告を見た人の購買率は1.39倍に

ファミリーマートとゲート・ワンは、本格展開に先立って実証実験を実施しました。同社の発表では、広告認知率や購買率について、次の結果が示されています。

指標 発表された結果
広告認知率 63.9%
購買意向率 50.2%
広告単独での購買率 非接触層の1.39倍
ファミマTVとの併用 非接触層の2.59倍

広告認知率は、2026年5月12日から25日に実施したファミペイアンケートの結果で、調査対象は53,337人です。購買意向率は、同年2月24日から3月9日のうち3日間に実施した店舗出口調査で、対象は321人でした。

購買率の比較は、2026年5月12日から6月15日までのファミリーマートID-POSデータを使い、ゲート・ワンが実施したものです。

ただし、これらは特定の実証実験で得られた結果です。広告の内容や対象商品、店舗、調査条件などによって結果は変わる可能性があります。広告を出せば必ず購買率が同じ倍率で上がるという意味ではありません。

店内広告と組み合わせると効果はどう変わる?

ファミリーマートは、コーヒーマシンの液晶広告を店内のデジタルサイネージ「ファミマTV」と組み合わせることで、対象商品の購買率が非接触層の2.59倍になったと発表しています。液晶広告単独の場合は1.39倍でした。

この結果から読み取れるのは、広告を一度見せるだけでなく、店舗内の複数の接点で商品を認知してもらう施策にも可能性があるということです。ただし、発表された数値だけでは、どの要素がどれほど効果を生んだのかまでは判断できません。

広告主にとっては、広告を見た人数だけでなく、その後の購買行動を確認できることが重要です。店内の広告媒体と購買データを組み合わせる取り組みは、広告の効果測定を考えるうえでも注目されます。

コンビニは商品を売るだけの場所ではなくなる?

今回の取り組みは、コンビニの店舗設備を広告媒体として活用する「リテールメディア」の一例です。リテールメディアとは、小売業者が持つ店舗、アプリ、会員データなどを広告や販促に活用する仕組みを指します。

店舗には、来店する人、商品を購入する人、購買データなど、小売業ならではの接点があります。こうした資産を広告に活用できれば、商品を販売する以外の価値を生み出せる可能性があります。

一方、広告を増やすだけで利用者の満足度が高まるとは限りません。画面が使いにくくならないか、広告が商品の購入を妨げないか、広告内容が利用者にとって有益かといった点も重要です。

企業にとっては、広告収入や販促効果だけでなく、店舗体験とのバランスを取ることが継続的な運用の課題になるでしょう。

まとめ

ファミリーマートは2026年10月から、コーヒーマシンの液晶画面を活用した「FAMIMA CAFÉ液晶広告」の本格展開を開始しました。コーヒーやフラッペの抽出待ち時間を広告媒体として活用する取り組みです。

同社の実証実験では、広告認知率63.9%、購買意向率50.2%、広告単独での購買率1.39倍という結果が公表されました。店内のデジタルサイネージと組み合わせた場合は、対象商品の購買率が2.59倍になったとしています。

何気ない待ち時間を広告接点に変える仕組みは、小売店が持つ店舗や購買データを活用するリテールメディアの広がりを示す事例です。今後は広告効果だけでなく、利用者にとっての使いやすさや店舗体験との両立も注目点になりそうです。

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